好きな人と暮らす初めての日

「そんなに俺のこと見たくない?」


 彼が悲しそうに呟く。

 私の行動のせいで彼が悲しんでる。
 誤解を解かなければと彼に視線を向けると、リュカは嬉しそうに笑みを浮かべる。


「やっと見てくれた」


 そう言う声が本当に嬉しそうで。
 私が見るだけでこんなにも嬉しそうにしてくれるなら、と恥ずかしさを捨てて彼を見る。


「さっきはごめんね。俺のキスを待ってるリーベが可愛くて、つい見ちゃってた」


 やっぱり無理と、視線を逸らす前にキスされる。
 こんなにいきなりされたのは初めてで、驚きとどきどきで固まる。


「ふふ、可愛い」


 そう呟き、またキスを落とされる。
 今度はされるとわかったので、先程よりは落ち着いて受け入れられるが、どきどきがおさまらない。

 きっと今頃私の顔は真っ赤になっているだろう。


 彼の唇が離れる。

 どきどきがおさまらないまま目を開け、彼の顔を見上げると、リュカが抱きしめてくる。


「……可愛すぎる」


 彼はそう呟くと、私の首筋に顔を埋める。
 彼の髪があたって、なんだかくすぐったい。

 私も抱きしめ返し、しばらくそのまま抱き合う。
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