好きな人と暮らす初めての日
 彼に髪を乾かしてもらうのはやはり気持ちいいが、先程のことでどきどきしていたので、眠気は襲ってこなかった。

 そして髪を乾かし終わり、彼がまた謝ってくる。
 そんなに何度も謝ってこなくてもいいのに。

「たしかに見られたのは恥ずかしかったよ。けど、別に嫌だったわけじゃない。だから、謝るのもう禁止」

「リーベがそう言うならわかった。でも、本当にごめん」

「だから謝るの禁止」


 禁止と言ったのに、また謝ってくる彼に少しむっとする。
 そんな私を見て、彼は困ったように笑う。

 私がお風呂に入るように促すと、彼は大人しくお風呂に向かう。
 私も先程のことは忘れることにして、気持ちを切り替える。

 ソファに座るが、することがなくてぼーとしていると彼がお風呂から上がってくる。

 彼は一度こちらを見るが、すぐに視線を逸らす。
 どうして逸らすのだろうと不思議に思っていると、こちらに視線を向けて話しかけてくる。
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