好きな人と暮らす初めての日

 レシピを見ているとあっという間に時間が経ち、彼に「そろそろ寝ようか」と声をかけられる。
 その言葉に頷き、二人で寝室に向かう。 

 どこで寝たらいいのかわからなくて扉の前で立っていると、彼は私をベッドに寝かせてくれる。

 そして私が横になったのを見てからリュカが寝室から出て行こうとする。
 なので体を起こして彼に声をかける。


「リュカどこに行くの?」

「ソファで寝ようと思って」

「一緒に寝ないの?」


 今朝、目が覚めた時に彼が抱きしめてくれていたのが嬉しかったし安心した。
 なのでまたそうして寝てくれると思っていたので少し寂しくなる。


「二人じゃ狭いだろうし、リーベもゆっくり休めないかもしれないから」

「なら私がソファで寝る。リュカはベッドで寝て」


 オリバーのもとにいた時には床で寝ていたので、毎日起きる度に体が痛くて大変だったのに比べれば、この家のソファは柔らかいし体が痛くなる心配もなさそう。
 それに先程、ソファで寝てしまった時もふかふかでよく寝られたし。

 なのに、彼は私の言葉に頷いてくれない。
< 47 / 52 >

この作品をシェア

pagetop