好きな人と暮らす初めての日
「いや、リーベはベッドで休んで」
「私はソファでもぐっすり寝れるから、リュカがベッドで寝て」
そんなやりとりを何度かする。
彼にはベッドでゆっくり休んでほしいのに、どうして伝わらないのだろう。
「リュカが一緒に寝てくれないなら、私がソファで寝る」
お互いがソファで寝ると言って引かないので、これでは埒があかないと思い、そう伝える。
彼は悩む素振りをする。
私はリュカと一緒に寝たい。
けど、彼は私と寝たくないのかと思うと悲しくなってくる。
「リュカは私と一緒に寝たくないの?」
「そんな訳ない!」
「じゃあなんで悩むの?」
「それはその……」
言い淀む彼をじっと見る。
中々口を開かない彼に、本当は私と寝るの嫌なんだと思い、更に悲しくなる。
「リーベそんな顔しないで」
彼が抱きしめてくる。
私がこんなに悲しくなっているのは彼のせいなのに、その腕の中はやっぱり安心する。
「リーベは俺と一緒に寝たい?」
私の顔を見て尋ねてくる彼の言葉に頷く。
リュカは申し訳なさそうに私を見る。