好きな人と暮らす初めての日

「そっか、じゃあ一緒に寝よう。ごめん、俺がうだうだ悩んだせいでリーベに悲しい思いさせちゃって」

「リュカは私と寝るの嫌じゃない?」

「嫌な訳ない」

「なら、なんであんなに悩んだの?」


 まだ私の質問に答えてもらってないと思い、再度尋ねる。
 彼はまた言い淀む。
 そんな彼を見ているとネガティブ思考になってしまう。


「やっぱり嫌なんだ」

「違う。……ただ、一緒に寝てリーベに手を出さずにいられるか心配で」

「手を出す?」

「この話は終わり! もう遅いし早く寝よう」


 彼が話を無理矢理終わらせ、ベッドに入ってくる。
 なので、リュカが入るスペースを作るために端に寄る。

 けど、“手を出す”ということがわからなくて何度か尋ねるが、彼は濁すだけで教えてくれない。
 結局それが何を指すのかもわからないまま、彼に上手く丸め込まれる。

 仰向けで寝ようとしている彼にくっつく。

 すると彼はびくっと体を震わせる。
 暗闇でいきなり抱きついたから驚かせてしまったのだろうか。
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