好きな人と暮らす初めての日

「驚かせちゃった? ごめんなさい」

「驚いたは驚いたけど大丈夫だよ」

「本当に? よかった」


 更に彼にくっつくと、何か耐えるような彼の声が聞こえる。
 たまに彼はこうして耐えるようにすることがあるが、何を耐えているのだろうか。


「リュカ? どうしたの?」

「リーベが可愛すぎて」

「……?」


 答えになっていない気がして、はてなマークが浮かぶ。

 彼が私の方を向いて抱きしめてくる。

 暗闇に目が慣れてきて、薄らとだが彼の顔が見える。
 彼は私のことを愛おしそうに見ていた。
 そんな顔がかっこよくて私もリュカを見つめる。

 彼が顔を近づけてくるので、そっと目を閉じる。

 彼の唇が優しく触れる。

 ああ、すごく幸せ。
 そう思っていると、彼が離れていく。


 目をゆっくり開くと、彼と目が合う。
 どちらからともなく、もう一度唇を重ねる。
 幸せで心が一杯だ。

 唇を離し、彼の厚い胸板に顔を寄せる。
 彼が優しく抱きしめてくれる。
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