あんなことがなければ私たちは違ってたのかな
「かのんおはよう!」

「みなみおはよう」

「昨日はどうだった?」

「どうだったって言われても...」

「あ!かのんとみなみだ!」

そう言って隣にいる陽向を置いてこっちに走って来たのは雪乃だ。

「雪乃おはよう」

「おはよ!」

「雪乃聞いてよ。もしかしたらかのん昨日翔となにもなかったかもしれないの」

「なんもなかったわけじゃないでしょ?寄り道したって言ってたじゃん」

「かのん!私それ聞いてないんだけど?!」

「べ、別になにかあったってわけじゃないし...」

「かのん?昨日私聞くって言ったからね?」

「そうだったねア、アハハァ」

私は愛想笑いで返した。

「で?どこに寄り道したって?」

「翔とどこ行ったの?」

「わ、分かった話すから落ち着いて?」

「はい。落ち着いた。」

「昨日ね、家に帰ってる途中にクレープ食べてる人見つけて、翔がクレープ食べるか聞いてきたから...」

「だから翔と二人っきりでクレープ食べに行ったと」

「はい...」

「翔のやつなかなかやるじゃん!」

「私も見直した!」

「で?他にはないの?」

「うん!そのあとは家まで送ってもらっただけ。」

「そっかそっかぁ〜。」

「でもよかったね!」

「うん!二人ともありがとね?」

「ん?なにが?」

「昨日雪乃陽向とデートなんてなかったでしょ?」

「アハハ!バレてた?」

「うん。みなみも嘘ついてくれてたよね?
ありがとう。」

「そんなの全然!私と雪乃はかのんの恋応援隊だから!」

「当たり前でしょ!もちろん陽向もせいやもね?」

「うん。ありがとう。」

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