スカートを穿いた猫

2限目の授業中、ふと、教室の窓からグラウンドへ視線が吸い寄せられた。

窓の外では1年5組が体育を行なっている。

明るい日差しの下、5組の男子たちが汗を流してサッカーに励んでいるところをぼーっと眺めた。


自然と目が追うのは、その中心にいる太陽のようにキラキラした人物。

(今日もかっこいい……)

あまりに眩しかったからか、いつしか自分の授業はそっちのけになっていた。


すると、突然横顔に衝撃が走る。

「ぶほ……!」

どうやら隣の席の誰かさんに頬へプリントを押し付けられているらしい。


「何すんの」

じとっと睨みを効かせながらプリントを受け取ると、私の反応がおかしかったのか月太は笑いながら言う。

「プリント交換して答え合わせだって」

「普通に呼んでくれればいいでしょ」

私のプリントを渡すと、月太は受け取りながらも嫌味を言う。


「悪い。あんまり覗き見に集中してるもんだから」

「言い方!」

思わずツッコミを入れた私に先生の「うるさい」という声が飛ぶ。私だけ叱られたことが解せない。

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