アンハッピー・ウエディング〜後編〜
盛夏楽しむ頃の章1
――――――8月も半ばを迎え、いよいよ夏本番がやって来た頃のこと。




…きっかけは、我が家のお嬢様、寿々花(すずか)さんの何気ない一言だった。

「ねぇねぇ、悠理(ゆうり)君。一個我儘言っても良い?」

「あ?…何?」

良いぞ、多少の我儘なら。

お嬢様の我儘、と聞くととんでもない要求をされそうなものだが。

如何せん、我が家のお嬢様は、頭の中身が幼稚園児並みだからな。

幼稚園児の我儘など、所詮たかが知れているのである。

寿々花さんは、目をキラッキラさせて。

「あのね、私、たこ焼きパーティーしてみたい」

…と、頼んできた。

な?意外と大したことなかっただろ?
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