アンハッピー・ウエディング〜後編〜
…何を勝手なこと言ってんの?

俺、作りますなんて一言も言ってない。

…言ってないのに。

「ってな訳で、無月院の姉さんにも言っといてくれ。31日のハロウィンの日、お菓子持ち寄りで、放課後に悠理兄さん家に集合なー」

勝手に決めんなって。おい、雛堂。

「仕方ありませんね。まぁ、付き合ってあげないこともありません」

乙無も。今日に限って何で乗り気なんだよ。

いつもなら、「そんな暇はありません」って断るところだろ。

こいつ、お菓子に釣られてやがる。

「折角だから、仮装とかやる?コントローラー持ってってゲームもやろうぜ。夢の四人対戦出来るじゃん」

何やら、雛堂がまた勝手なことを言っている。

知らねーし、聞いてねーし。やるなんて俺、一言も言ってねーし。

ふざけんな、誰が高校生にもなってハロウィンパーティーなんかやるか…と。

…言いたいところだったのが。






帰宅後。

「なぁ、寿々花さん。嫌だったら全然断ってくれて良いんだけどさ」

「?なーに?」

「雛堂…俺の友達の、邪神の眷属じゃない方がさ、うちでハロウィンパーティーやらないかって企画を立ててんだが…やるか?」

「うん、やる!」

…ワンチャン、寿々花さんが「興味ない」って言ってくれることを期待したんだが。

それどころか、期待に目を輝かせて快諾されてしまった。

そうか…。…まぁ、そんなことだろうと思ったよ。
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