アンハッピー・ウエディング〜後編〜
小花衣先輩の案内のお陰で、無事に本を借り。
俺は、それを持って帰宅した。
…問題が起こったのは、その時だった。
「ただいまー、寿々花さん。遅くなって悪っ…うわっ」
「…」
帰宅して、玄関に足を一歩踏み入れてから、俺はびくっとして立ち止まった。
…出た。恒例のアレ。
そういや、しばらくなかったな。
寿々花さんが、玄関に蹲ってずーんと落ち込んでいらっしゃった。
…。
落ち込むのは良いんだけどさ。何で玄関なんだ?
帰ってきた瞬間びっくりするから、落ち込むなら自分の部屋か、リビングで落ち込んでくれよ。
何処で落ち込んでいようと、ちゃんと相手してやるからさ。
「…寿々花さん、ちょっと、寿々花さん」
「…」
返事無し。
分かったから。落ち込んでるのは分かったから。とりあえず部屋に上がってくれないか。
向こうで話聞くから。
「今日は何に落ち込んでるんだ…?」
「…はろうぃん…」
「は?」
今、蚊の鳴くようなちっちゃい声で何か言った?
…ハロウィン?
「…ハロウィンがどうしたよ?あんなに楽しみにしてたじゃないか。ハロウィンパーティー」
「…」
「何を落ち込むようなことがあるんだ?ハロウィンパーティーの準備なら、順調に進んでるぞ」
雛堂も、仮装の衣装借りたんだーとか言ってたし。
乙無の方も、邪神の眷属(笑)のプライドにかけて、立派なジャックオーランタンを用意するとか言ってたし…。
別に立派なのじゃなくても、普通のジャックオーランタンで良いぞ。
それに俺も、今日こうして、図書室で本を借りてきて。
ハロウィンパーティー当日に備えて、順調に準備を進めている。
何もかも順調に事が進んでいるのに、何を落ち込むようなことが、
「…」
「…えっ…」
顔を上げた寿々花さんの両目から、ポタッ、と涙の雫が流れて。
俺は、思わず動転してしまった。
俺は、それを持って帰宅した。
…問題が起こったのは、その時だった。
「ただいまー、寿々花さん。遅くなって悪っ…うわっ」
「…」
帰宅して、玄関に足を一歩踏み入れてから、俺はびくっとして立ち止まった。
…出た。恒例のアレ。
そういや、しばらくなかったな。
寿々花さんが、玄関に蹲ってずーんと落ち込んでいらっしゃった。
…。
落ち込むのは良いんだけどさ。何で玄関なんだ?
帰ってきた瞬間びっくりするから、落ち込むなら自分の部屋か、リビングで落ち込んでくれよ。
何処で落ち込んでいようと、ちゃんと相手してやるからさ。
「…寿々花さん、ちょっと、寿々花さん」
「…」
返事無し。
分かったから。落ち込んでるのは分かったから。とりあえず部屋に上がってくれないか。
向こうで話聞くから。
「今日は何に落ち込んでるんだ…?」
「…はろうぃん…」
「は?」
今、蚊の鳴くようなちっちゃい声で何か言った?
…ハロウィン?
「…ハロウィンがどうしたよ?あんなに楽しみにしてたじゃないか。ハロウィンパーティー」
「…」
「何を落ち込むようなことがあるんだ?ハロウィンパーティーの準備なら、順調に進んでるぞ」
雛堂も、仮装の衣装借りたんだーとか言ってたし。
乙無の方も、邪神の眷属(笑)のプライドにかけて、立派なジャックオーランタンを用意するとか言ってたし…。
別に立派なのじゃなくても、普通のジャックオーランタンで良いぞ。
それに俺も、今日こうして、図書室で本を借りてきて。
ハロウィンパーティー当日に備えて、順調に準備を進めている。
何もかも順調に事が進んでいるのに、何を落ち込むようなことが、
「…」
「…えっ…」
顔を上げた寿々花さんの両目から、ポタッ、と涙の雫が流れて。
俺は、思わず動転してしまった。