アンハッピー・ウエディング〜後編〜
「これだけ自習ばっかりじゃ、学校来る意味ねーよな。臨時休校にしてくれよ」

と、雛堂もぼやいていた。

分かる。

授業やらねーんだったら、いっそもう休みにしてくれないかな。

「しかも、今日明日のことでは済まないんですよね。修学旅行が終わるまでですから…」

「来週いっぱいずっと…だな」

「もう休みで良いじゃん!」

本当それな。

今日だけでも一日暇過ぎたのに、来週いっぱい毎日こんな感じかよ。

皆で学校サボってやろうぜ。集団ストライキだ。

せめて、まともに授業をやってくれたらなぁ…。

余計なこと…何も考えずに済むのに。

「よし、こっそり漫画持ってきて、自習中に読もうぜ。多分バレねぇって」

「全くだな。…俺も内職でもしようかな」

「無駄じゃないですか?悠理さんは何をしてても多分、寿々花さんのことが頭を離れないと思いますよ」

やめろって。そんなことねぇよ。

「明日から土日休みだもんな。悠理兄さん、家に一人ぼっちで寂しくて泣いてんじゃねぇの?自分が遊びに行ってやろうか?」

「来なくて良いっつーの。誰が泣くか」

そう。今日は金曜日だから、明日から二日間お休み。

春から寿々花さんと一緒に暮らし始めて、初めて一人きりの週末を過ごすのである。

…何と言うか、非常に新鮮な気分である。

折角だから、いつもは出来ない家の大掃除をしよう。

寿々花さんがいないと、きっと捗るに違いない。

「ま、寂しかったらいつでも呼んでくれよ。すぐ駆けつけてやるから。…何なら無月院の姉さんのコスプレでもしてやろうか?」

「コスプレしてくれるなら、来年の女装コンテストで頼むよ」

来年の出場者は、雛堂と乙無で決まりだな。宜しく。
< 248 / 645 >

この作品をシェア

pagetop