アンハッピー・ウエディング〜後編〜
…などという、冗談はさておき。
放課後は、大抵帰り道にスーパーに寄って、夕飯の買い物をして帰るのが日課だが…。
今日はどうするかな。
宣言通りお茶漬けも良いけど。
寿々花さんは今頃、飛行機のファーストクラスでフルコースを食べているんだろう?
だったら、俺もちょっとくらい…今夜くらい、贅沢しても良くね?
主婦がたまのお休みに、一人でちょっとリッチなランチをするのと同じ感覚で。
俺も、寿々花さんがいない間にプチ贅沢しよう。
ということで、しばし考えた結果。
本日の夕食は、ちょっとリッチに…。
…コンビニで、お弁当買って帰ろう。
俺の「プチ贅沢」なんて、所詮こんなもんだよ。
…え?貧乏臭いって?
何でだよ。コンビニ弁当ってお高いだろ。
俺の中では、「コンビニ=高い」っていう認識なんだが。
だって、スーパーのお惣菜コーナーのお弁当は大体400〜500円くらいだけど。
コンビニで買うと、600〜700円くらいするだろ?
そこにペットボトルのお茶とかつけてたら、結構なお値段になるよ。
俺には出来ない。
ってことで、今日はプチ贅沢をして、コンビニで買い物。
なんと、お弁当だけでなく、肉まんまで買ってしまった。
肉まんとあんまん、一つずつ。
おまけに、つい財布の紐が緩んでしまったらしく。
冷凍コーナーに売っていた、コンビニ限定フレーバーの某お高いカップアイスクリームまで購入。
ティラミス味っていうのと、桃クリーム味っていうのを一つずつ。
いやぁ、たまに来るコンビニの誘惑の恐ろしいことと言ったらないな。
何もかもが目新しくて、どれもこれも美味しそうに見える。
コンビニ恐るべし。
これは寿々花さんも喜ぶだろうなぁ。
たまには趣向を変えてみるのも、悪くないかもしれない。
ご機嫌な気分で帰宅し、自宅の扉を勢いよく開けよう…としたか。
「ただい…。…って、そうだった…」
引っ張っても玄関のドアが開かなくて、一瞬「何で?」と思ってしまった。
いつもなら、俺より先に寿々花さんが帰っているから。
でも、そうだった。
今日は…今日から暫くの間は、家に帰っても寿々花さんはいないんだっけ…。
…また忘れてたよ。
俺は鍵を取り出して、自分でドアを開けて入った。
誰も居ない家の中は、当然しーんと静まり返っていた。
もぬけの殻って言うか…。…そりゃ誰も居ないんだから当たり前だけど。
「…ただいま…」
誰も居ないのに、俺はポツリとそう呟いていた。
…「お帰り」って迎えてくれる人がいないというのは、結構寂しいもんだな。
俺だって昔はそうだったんだよ。うちは母子家庭で、母の仕事が不規則だったから。
家に帰ったら誰も居ないのが当たり前で、それが普通だと思ってたのに…。
…いつの間にか、当たり前だったはずのことが当たり前じゃなくなっていたのかもしれない。
放課後は、大抵帰り道にスーパーに寄って、夕飯の買い物をして帰るのが日課だが…。
今日はどうするかな。
宣言通りお茶漬けも良いけど。
寿々花さんは今頃、飛行機のファーストクラスでフルコースを食べているんだろう?
だったら、俺もちょっとくらい…今夜くらい、贅沢しても良くね?
主婦がたまのお休みに、一人でちょっとリッチなランチをするのと同じ感覚で。
俺も、寿々花さんがいない間にプチ贅沢しよう。
ということで、しばし考えた結果。
本日の夕食は、ちょっとリッチに…。
…コンビニで、お弁当買って帰ろう。
俺の「プチ贅沢」なんて、所詮こんなもんだよ。
…え?貧乏臭いって?
何でだよ。コンビニ弁当ってお高いだろ。
俺の中では、「コンビニ=高い」っていう認識なんだが。
だって、スーパーのお惣菜コーナーのお弁当は大体400〜500円くらいだけど。
コンビニで買うと、600〜700円くらいするだろ?
そこにペットボトルのお茶とかつけてたら、結構なお値段になるよ。
俺には出来ない。
ってことで、今日はプチ贅沢をして、コンビニで買い物。
なんと、お弁当だけでなく、肉まんまで買ってしまった。
肉まんとあんまん、一つずつ。
おまけに、つい財布の紐が緩んでしまったらしく。
冷凍コーナーに売っていた、コンビニ限定フレーバーの某お高いカップアイスクリームまで購入。
ティラミス味っていうのと、桃クリーム味っていうのを一つずつ。
いやぁ、たまに来るコンビニの誘惑の恐ろしいことと言ったらないな。
何もかもが目新しくて、どれもこれも美味しそうに見える。
コンビニ恐るべし。
これは寿々花さんも喜ぶだろうなぁ。
たまには趣向を変えてみるのも、悪くないかもしれない。
ご機嫌な気分で帰宅し、自宅の扉を勢いよく開けよう…としたか。
「ただい…。…って、そうだった…」
引っ張っても玄関のドアが開かなくて、一瞬「何で?」と思ってしまった。
いつもなら、俺より先に寿々花さんが帰っているから。
でも、そうだった。
今日は…今日から暫くの間は、家に帰っても寿々花さんはいないんだっけ…。
…また忘れてたよ。
俺は鍵を取り出して、自分でドアを開けて入った。
誰も居ない家の中は、当然しーんと静まり返っていた。
もぬけの殻って言うか…。…そりゃ誰も居ないんだから当たり前だけど。
「…ただいま…」
誰も居ないのに、俺はポツリとそう呟いていた。
…「お帰り」って迎えてくれる人がいないというのは、結構寂しいもんだな。
俺だって昔はそうだったんだよ。うちは母子家庭で、母の仕事が不規則だったから。
家に帰ったら誰も居ないのが当たり前で、それが普通だと思ってたのに…。
…いつの間にか、当たり前だったはずのことが当たり前じゃなくなっていたのかもしれない。