アンハッピー・ウエディング〜後編〜
あまりに疲れ過ぎて、その後、昼休みになっても。

お弁当、ほとんど食べられなかった。

あぁ、勿体無い…。折角早起きして作ったのに。

ぶっちゃけ、もう何もしたくないないからさ。

さっさと家に帰って、汗まみれの身体にシャワーを浴びて、そして全てを忘れて気が済むまでベッドに寝ていたい、って。

多分、男子部の全校生徒が思っていたに違いない。

が、そういう訳にはいかない。

昼休みが終わったら、午後からも授業がある。

幸いこの授業、自習時間だったのだが。

ちゃんと自習している生徒なんて、一人もいなかった。

クラスメイトの大半、俺も含めて、机に突っ伏して寝ていた。

起きているのは乙無だけで、その乙無も真面目に自習などしておらず。

読めもしない癖に、まるで見せびらかすように外国語の文庫本を開いていた。

お得意の厨二病アピールだが、生憎、クラスメイトは誰も見てないぞ。

皆、突っ伏して寝てるからな。誰一人それどころじゃない。

あまりの疲労に、保健室に行った奴もちらほらいるんじゃないかな。

…俺達が、こんなボロ雑巾みたいになってるっていうのに。

今頃寿々花さん達は、優雅にイタリア料理のディナーを食べてる頃だろうなぁ…なんて。

この期に及んでも、寿々花さんのことを考えている自分に気づき。

乾いた笑いしか出ない、そんな昼下がりの午後であった。
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