アンハッピー・ウエディング〜後編〜
「闇鍋が駄目なら…。…どうする?」

俺は、クラスメイトに意見を求めた。

しかしクラスメイト達も、皆「俺に聞かれても…」みたいな困り顔。

分かる。その気持ちは超分かる。

「えっと…か、カレーにしたらどう?」

と、クラスメイトの一人が提案した。

「カレー味にしてしまえば、どんな食材を入れてもクセがなくなるって…」

「成程…確かに…」

カレー味は万能だよな。

あまり組み合わせが美味しくなさそうな具材でも、カレーにしてしまえば、食材のミスマッチはあまり気にならない。

その理屈で、俺も以前、余り物野菜を全部カレーにしたことある。

確かにちょっと変な風味はしたけど、カレー味が全てを誤魔化してくれたよ。

その点、カレーは偉大だよな。

でもな。いくらカレーが万能で偉大でも。

…ヤギ肉とゴルゴンゾーラチーズは、さすがに誤魔化しきれないと思う。

「さすがに…カレー味で誤魔化せる限度を越えてると思う…」

「そ、そっか…。まぁ…そうだよな…」

「…うん…」

ごめんな。折角提案してくれたのに。

でも、この中で一体どんな提案が出たとしても、まともな料理にはならないと思うんだ。

統一感がな?統一感が全くない。

…この窮地を切り抜けるには、かくなる上は。
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