アンハッピー・ウエディング〜後編〜
「浮かれてんのは良いけどさー。悠理兄さん」

「べ、別に。浮かれてないって」

「はいはい。そういうツンデレは良いからさー」

何だよ。ツンデレって。

俺の何処がツンデレだ?

「無月院の姉さんが帰ってきたなら、そろそろアレをやろうぜ」

「…アレ?」

「ハロウィンパーティーだよ」

…あぁ、そういえば。

寿々花さんが帰ってきて、ホッとしてたけど。

ハロウィンパーティーやるんだよな。そういう約束だった。

「いつやる?週末?それとも放課後に悠理兄さんとこに集まる?」

「寿々花さんに聞いてみないことには、何とも言えないけど…」

多分寿々花さんは、「いつでも良い」と言いそうだ。

俺もいつでも良いよ。…ただ、水曜日はちょっと困るけどな。

園芸委員の仕事があるから。

「真珠兄さんは?いつでも良い?どうせ暇だろ?」

「失礼な。いかなる時でも暇を持て余している大也さんと、浮かれた悠理さんと一緒にしないでください」

誰が浮かれてるって?

あんたも暇だろうが。実は。

「じゃあ、乙無はいつなら良いんだよ?」

「そうですね…。今週中なら大丈夫でしょう」

やっぱり暇なんじゃないかよ。案の定。

暇人だらけのハロウィンパーティー。

「じゃ、早速明日やるか!」

と、雛堂。

ちょ、明日?

いつでも良いとは言ったけど、そりゃまた急だな。

「明日かよ…」

「え?なんか駄目?早い方が良いだろ?ただでさえ、もうハロウィンは過ぎてるんだし」

ま、まぁそれはそうなんだが。

「駄目じゃないけど…。…分かった、寿々花さんに伝えておく」

「よろしくー!」

修学旅行から帰ってきて、すぐにハロウィンパーティーか…。

楽しいイベントが盛り沢山だな。
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