アンハッピー・ウエディング〜後編〜
お土産に、余ったお菓子をそれぞれ分けて雛堂と乙無に持たせた。

…ほぼ、うんまい棒だけど。

仮装の衣装は…すぐに脱いで突き返したいところだったが。

一応これ、雛堂からの借り物だからな。

「衣装…。寿々花さんのドラキュラと、俺のこれ…。今度洗って返すよ」

俺は、雛堂にそう言った。

「おぉ、どうも。気に入ったならそのままもらってくれても、」

「全然気に入ってないから、明日にでも洗って返す」

「またまた。釣れないこと言っちゃってさー」

うるせぇ。早く帰れ。

「気をつけて帰れよ。もう暗いから」

「おう。お菓子ご馳走様。…あ、そうだ」

ん?

「大事なこと言い忘れてたわ。…ハッピーハロウィン!」

…遅っ。

そういや、誰も言ってなかったな。

ハロウィンパーティーっつーか、お菓子パーティーっつーか…ホラー映画鑑賞会になってたもんな。

パーティー、終わってから言うのかよ。

今更感が半端じゃない。けど…。

「…ハッピーハロウィン」

言うだけ言っといてやるよ。今日しか言えないからな。

また来年まで持ち越しである。
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