アンハッピー・ウエディング〜後編〜
今日うちに届いた荷物の一つは、俺宛ての干し柿だった。
そして、もう一つの荷物の中身を知ったのは、風呂から上がった直後だった。
「ふー、さっぱりし、」
「ねぇねぇ、悠理君」
「うわっ、びっくりした」
タオルで頭を拭きながら、リビングに戻るなり。
寿々花さんが目の前に、ぐいっと迫ってきた。
ど、どうした。
「な、何だよ?」
「…」
寿々花さんはじー、っと俺の顔を見つめた。
超近距離で。
「ちょ…本当に何だよ?」
「くんくん…。悠理君、良い匂いがするー」
嗅ぐな。犬かよあんたは。
「ただの…ボディソープの匂いだよ…」
「ボディソープ…?悠理君こだわりの、お気に入りのボディソープの香り?」
「別に。ドラッグストアで安売りされてた大容量のボディソープだけど」
せっけんの香り、だったかな。
俺はシャンプーとかボディソープとか、全然こだわりのない人間だから。
ブランドもメーカーも何でも良い。買いに行った時、安売りされてるものを選ぶ。
最近は男性でも、シャンプーやボディソープにこだわりのある人が増えてるらしいけど。
俺はそういうのは良いや。違いが分からないから。
寿々花さんこそ、そういうのこだわるべきなのでは…?
…って、そんなことより。
「くんくん。やっぱり良い匂いだー」
「嗅ぐなって。何なんだよあんたは。ちょっと離れろ」
「あれー」
あれー、じゃないんだよ。
俺は、ぐいっと寿々花さんから距離を取った。
はぁ。びっくりした…風呂入ったばかりなのに、余計な汗をかいたような気がする。
「で?何か用か?」
「もっと悠理君とくっついてたかったな…」
「は?今なんか言った?」
寿々花さんがぼそっと呟いたようだが、よく聞こえなかった。
「ううん。それより…リビングにあれ置いても良いかって、悠理君に聞こうと思ったの」
と、寿々花さんはリビングのサイドテーブルを指差した。
は?あれ?
寿々花さんの指差す先を見ると、見覚えのないものが置かれていた。
何だ?…あれ。箱型の…カレンダー?
「カレンダーか…?なかなかお洒落だな」
別に良いよ、カレンダーくらい。好きなところに置いてくれ。
大体、ここはあんたの家なんだから、家主であるあんたが好きなところに、好きなものを置けば良いんだ。
いちいち俺の許可など取らなくても。
…それにしても、カレンダーとは…。
「置くのは良いけど…。今年、あと一月で終わるのに、今更カレンダー…?」
あ、それともあれ、もう来年のカレンダーなのか?
それにしては、ちょっと気が早いのでは?
「ううん。あれは12月だけの…アドベンドカレンダーなんだよ」
と、寿々花さんが説明してくれた。
アドベンドカレンダー…?
…なんか、どっかで聞いたことあるな。
そして、もう一つの荷物の中身を知ったのは、風呂から上がった直後だった。
「ふー、さっぱりし、」
「ねぇねぇ、悠理君」
「うわっ、びっくりした」
タオルで頭を拭きながら、リビングに戻るなり。
寿々花さんが目の前に、ぐいっと迫ってきた。
ど、どうした。
「な、何だよ?」
「…」
寿々花さんはじー、っと俺の顔を見つめた。
超近距離で。
「ちょ…本当に何だよ?」
「くんくん…。悠理君、良い匂いがするー」
嗅ぐな。犬かよあんたは。
「ただの…ボディソープの匂いだよ…」
「ボディソープ…?悠理君こだわりの、お気に入りのボディソープの香り?」
「別に。ドラッグストアで安売りされてた大容量のボディソープだけど」
せっけんの香り、だったかな。
俺はシャンプーとかボディソープとか、全然こだわりのない人間だから。
ブランドもメーカーも何でも良い。買いに行った時、安売りされてるものを選ぶ。
最近は男性でも、シャンプーやボディソープにこだわりのある人が増えてるらしいけど。
俺はそういうのは良いや。違いが分からないから。
寿々花さんこそ、そういうのこだわるべきなのでは…?
…って、そんなことより。
「くんくん。やっぱり良い匂いだー」
「嗅ぐなって。何なんだよあんたは。ちょっと離れろ」
「あれー」
あれー、じゃないんだよ。
俺は、ぐいっと寿々花さんから距離を取った。
はぁ。びっくりした…風呂入ったばかりなのに、余計な汗をかいたような気がする。
「で?何か用か?」
「もっと悠理君とくっついてたかったな…」
「は?今なんか言った?」
寿々花さんがぼそっと呟いたようだが、よく聞こえなかった。
「ううん。それより…リビングにあれ置いても良いかって、悠理君に聞こうと思ったの」
と、寿々花さんはリビングのサイドテーブルを指差した。
は?あれ?
寿々花さんの指差す先を見ると、見覚えのないものが置かれていた。
何だ?…あれ。箱型の…カレンダー?
「カレンダーか…?なかなかお洒落だな」
別に良いよ、カレンダーくらい。好きなところに置いてくれ。
大体、ここはあんたの家なんだから、家主であるあんたが好きなところに、好きなものを置けば良いんだ。
いちいち俺の許可など取らなくても。
…それにしても、カレンダーとは…。
「置くのは良いけど…。今年、あと一月で終わるのに、今更カレンダー…?」
あ、それともあれ、もう来年のカレンダーなのか?
それにしては、ちょっと気が早いのでは?
「ううん。あれは12月だけの…アドベンドカレンダーなんだよ」
と、寿々花さんが説明してくれた。
アドベンドカレンダー…?
…なんか、どっかで聞いたことあるな。