アンハッピー・ウエディング〜後編〜
盛夏楽しむ頃の章3
…さて、そんなこともありながら。
長かった夏休みも、残り二日となった。
やれやれ。もうすぐ新学期の始まりだな。
夏休みの宿題は既に終わっているから、安心して座して時を待てば良い。
で、新学期を間近に控えたこの日。
我が家のお嬢様、寿々花さんが起きてきたのは、午前11時近くになってからだった。
「おはよ〜…。悠理君…」
「おはよう」
遅いお目覚めだったな。
おはようって言うか、もうこんにちはの時間だけど。
眠い目をごしごしと擦る寿々花さん。
「のんびりしてるのは良いけど、もうすぐ新学期なんだから、身体のリズムを戻しておかないと」
夏休みだからってダラダラしてると、新学期を迎えたとき、朝起きられなくなるぞ。
そうなるのが怖いから、俺は出来るだけ、休みの日もいつも通りの時間に起きるようにしている。
早起きは三文の徳ってね。
早起きして得したこと、今のところないけど。
「うん、分かってるよ〜…」
…分かってんのか?本当に。
半分寝惚けてんじゃん。まだ。
「夢を見てたんだぁ。面白い夢だったから、途中で起きられなくて」
と、教えてくれた。
また夢か…。寿々花さん、よく夢見るよな。
「どんな夢だったんだ?」
「未来から来た恋人が変態ストーカーになる話」
…それ、面白いか?
ユニーク過ぎるだろ。一体どんな夢見てんだ。
「悠理君は、昨日どんな夢見たの?」
「俺?俺は…自販機に百円玉を入れたら、次々に缶コーヒーが出てきて止まらなくなるっていう夢を見た」
「悠理君の夢も面白いね」
面白かねーよ。
ガシャコンガシャコンガシャコン、と延々缶コーヒーが出てきてさ、「やべぇ、これどうしたら良いんだ!?」ってめちゃくちゃ焦ってたから。
目が覚めて、夢で良かったとしみじみ思った。
「って、そんな夢の話はどうでも良い。早く着替えろって。もう昼だぞ、ほぼ」
「ほぇ?」
「ほぇ、じゃなくて…。服を着替えてから降りてこいって、何回言ったら理解するんだ、あんたは?」
相変わらず寝巻き姿で…俺のお古ジャージ姿で降りてくんの。
寝起きでいちいち俺に挨拶しに降りてくる必要ないから。起きたら、すぐに着替えなさい。
だらしないでしょうが。
「うーん…。それじゃ、悠理君が脱がして」
は?
寿々花さんはソファに座って、万歳するように両手を上げた。
…え?これ、俺が脱がせってこと?
「…ちょ、何アホ言ってんだよ。自分で…」
「早く早くー」
急かすな。
何が嬉しくて、何で俺が着替えさせてやらなきゃいけないんだよ。
そういうのはな、そういうのは女性の使用人に頼むべきことであって…。
「早くー。腕が疲れるよー」
「あぁ、もう…!あんたって人は、性別間違えて生まれてきたんじゃないか…!?」
こうなったら、もうやけっぱちだ。
「ほら、腕引っ込めて。あぁ、もう髪の毛もぐっちゃぐちゃだし…」
「いたたた。悠理君痛い。もうちょっと優しく…」
「良いから、早く脱げっての」
朝から何をやってるんだ、俺は。
俺は、っつーか…俺達は。
こんなところ、誰かに見られたら赤っ恥…と。
思っていたその時。
長かった夏休みも、残り二日となった。
やれやれ。もうすぐ新学期の始まりだな。
夏休みの宿題は既に終わっているから、安心して座して時を待てば良い。
で、新学期を間近に控えたこの日。
我が家のお嬢様、寿々花さんが起きてきたのは、午前11時近くになってからだった。
「おはよ〜…。悠理君…」
「おはよう」
遅いお目覚めだったな。
おはようって言うか、もうこんにちはの時間だけど。
眠い目をごしごしと擦る寿々花さん。
「のんびりしてるのは良いけど、もうすぐ新学期なんだから、身体のリズムを戻しておかないと」
夏休みだからってダラダラしてると、新学期を迎えたとき、朝起きられなくなるぞ。
そうなるのが怖いから、俺は出来るだけ、休みの日もいつも通りの時間に起きるようにしている。
早起きは三文の徳ってね。
早起きして得したこと、今のところないけど。
「うん、分かってるよ〜…」
…分かってんのか?本当に。
半分寝惚けてんじゃん。まだ。
「夢を見てたんだぁ。面白い夢だったから、途中で起きられなくて」
と、教えてくれた。
また夢か…。寿々花さん、よく夢見るよな。
「どんな夢だったんだ?」
「未来から来た恋人が変態ストーカーになる話」
…それ、面白いか?
ユニーク過ぎるだろ。一体どんな夢見てんだ。
「悠理君は、昨日どんな夢見たの?」
「俺?俺は…自販機に百円玉を入れたら、次々に缶コーヒーが出てきて止まらなくなるっていう夢を見た」
「悠理君の夢も面白いね」
面白かねーよ。
ガシャコンガシャコンガシャコン、と延々缶コーヒーが出てきてさ、「やべぇ、これどうしたら良いんだ!?」ってめちゃくちゃ焦ってたから。
目が覚めて、夢で良かったとしみじみ思った。
「って、そんな夢の話はどうでも良い。早く着替えろって。もう昼だぞ、ほぼ」
「ほぇ?」
「ほぇ、じゃなくて…。服を着替えてから降りてこいって、何回言ったら理解するんだ、あんたは?」
相変わらず寝巻き姿で…俺のお古ジャージ姿で降りてくんの。
寝起きでいちいち俺に挨拶しに降りてくる必要ないから。起きたら、すぐに着替えなさい。
だらしないでしょうが。
「うーん…。それじゃ、悠理君が脱がして」
は?
寿々花さんはソファに座って、万歳するように両手を上げた。
…え?これ、俺が脱がせってこと?
「…ちょ、何アホ言ってんだよ。自分で…」
「早く早くー」
急かすな。
何が嬉しくて、何で俺が着替えさせてやらなきゃいけないんだよ。
そういうのはな、そういうのは女性の使用人に頼むべきことであって…。
「早くー。腕が疲れるよー」
「あぁ、もう…!あんたって人は、性別間違えて生まれてきたんじゃないか…!?」
こうなったら、もうやけっぱちだ。
「ほら、腕引っ込めて。あぁ、もう髪の毛もぐっちゃぐちゃだし…」
「いたたた。悠理君痛い。もうちょっと優しく…」
「良いから、早く脱げっての」
朝から何をやってるんだ、俺は。
俺は、っつーか…俺達は。
こんなところ、誰かに見られたら赤っ恥…と。
思っていたその時。