アンハッピー・ウエディング〜後編〜
「ってか、今日乙無はどうしたんだよ」
大抵、あんたらセットで来るだろ。
今日は乙無、来てないみたいだが。
…まぁ、来てなくて助かったけどな。さっきのアレを見られずに済んだから。
「乙無の兄さん?誘ったんだけどさー。来てくれなかったんだわ」
「ふーん…」
「『僕はあなたみたいに暇じゃないんです。邪神イングレア様の眷属として、果たさなければならない使命がありますから』とか言って。夏休みの宿題でもやってんのかね?」
さぁな。
今の声真似、絶妙に似てたな。
「雛堂、あんたこそ夏休みの宿題やったのか?」
「え?明日やれば良くね?」
典型的な、8月31日にまとめて宿題やるタイプか。
それやる人、結構いるけどさ。
本当に一日で終わらせられた人は見たことない。
結局、半泣きで終わらなかった宿題を持って新学期を迎えてる印象。
宿題は計画的にやっとけ、ってことだな。
「私はね、夏休みの宿題ちゃんとやったんだよ」
えへん、と胸を張る寿々花さん。
「へぇ?でも、女子部は夏休みの宿題ないって、星見の兄さんから聞いたんだけど」
「うん。だから、悠理君が特別に、私に宿題を出してくれたの。秘密の個人レッスンしたんだよ」
「ふーん…。特別に…秘密の個人レッスン…ねぇ」
…おい。雛堂。
何こっちを見てんだよ。
「…言いたいことがあるなら、はっきり言ったらどうだ?」
「いいや?別に何も。星見の兄さんがむっつりスケベだってことは、よ〜く分かったから」
何も分かってないじゃないかよ、おい。
寿々花さんも、いちいち誤解を招く言い方をするのはやめくれないか?
「別に疚しいことは何もないぞ。ただお使いを頼んだだけであって…」
「私ね、初めてで不安だったけど。でも悠理君がイチから全部、優しく教えてくれたんだよ」
「そっかぁ。星見の兄さん、おめーは一回もげろ」
「ち、が、う、んだっての!」
寿々花さん、頼むからあんたは黙っててくれ。
その誤解を招く言い方をやめてくれ!
わざとか?天然そうな顔して、わざと言ってんのか?
もうそうとしか思えなくなってきた。
「今日から自分、星見の兄さんのこと、スケベの兄さんって呼んで良い?」
「…良い訳ないだろ…?」
「で、夏休みもそろそろ終わるからさぁ。最後の思い出作りしようと思って、これ」
と言って、強引に話を戻した雛堂は。
持ってきた、大きく膨らんだエコバッグの中を見せてくれた。
大抵、あんたらセットで来るだろ。
今日は乙無、来てないみたいだが。
…まぁ、来てなくて助かったけどな。さっきのアレを見られずに済んだから。
「乙無の兄さん?誘ったんだけどさー。来てくれなかったんだわ」
「ふーん…」
「『僕はあなたみたいに暇じゃないんです。邪神イングレア様の眷属として、果たさなければならない使命がありますから』とか言って。夏休みの宿題でもやってんのかね?」
さぁな。
今の声真似、絶妙に似てたな。
「雛堂、あんたこそ夏休みの宿題やったのか?」
「え?明日やれば良くね?」
典型的な、8月31日にまとめて宿題やるタイプか。
それやる人、結構いるけどさ。
本当に一日で終わらせられた人は見たことない。
結局、半泣きで終わらなかった宿題を持って新学期を迎えてる印象。
宿題は計画的にやっとけ、ってことだな。
「私はね、夏休みの宿題ちゃんとやったんだよ」
えへん、と胸を張る寿々花さん。
「へぇ?でも、女子部は夏休みの宿題ないって、星見の兄さんから聞いたんだけど」
「うん。だから、悠理君が特別に、私に宿題を出してくれたの。秘密の個人レッスンしたんだよ」
「ふーん…。特別に…秘密の個人レッスン…ねぇ」
…おい。雛堂。
何こっちを見てんだよ。
「…言いたいことがあるなら、はっきり言ったらどうだ?」
「いいや?別に何も。星見の兄さんがむっつりスケベだってことは、よ〜く分かったから」
何も分かってないじゃないかよ、おい。
寿々花さんも、いちいち誤解を招く言い方をするのはやめくれないか?
「別に疚しいことは何もないぞ。ただお使いを頼んだだけであって…」
「私ね、初めてで不安だったけど。でも悠理君がイチから全部、優しく教えてくれたんだよ」
「そっかぁ。星見の兄さん、おめーは一回もげろ」
「ち、が、う、んだっての!」
寿々花さん、頼むからあんたは黙っててくれ。
その誤解を招く言い方をやめてくれ!
わざとか?天然そうな顔して、わざと言ってんのか?
もうそうとしか思えなくなってきた。
「今日から自分、星見の兄さんのこと、スケベの兄さんって呼んで良い?」
「…良い訳ないだろ…?」
「で、夏休みもそろそろ終わるからさぁ。最後の思い出作りしようと思って、これ」
と言って、強引に話を戻した雛堂は。
持ってきた、大きく膨らんだエコバッグの中を見せてくれた。