アンハッピー・ウエディング〜後編〜
ともあれ。

雪かきも終わり、ついでに雪だるまも作ったよ。

まず先に、胴体となる下の部分の雪玉を作る。

その後、頭となる上の部分の雪玉を作った。

「うんとこしょ。どっこいしょー」

「おいおい…。頭の方はあんまり大きくするなよ。持ち上げられないぞ」

「ううん、大丈夫ー」

…本当かよ?

この間のハロウィンパーティーの時、乙無が持ってきたジャックオーランタン…より、まだデカい。

調子に乗ってデカくし過ぎだよ。

ポリバケツくらいあるもん。

さすがの寿々花さんも、あれを持ち上げるのは無理なんじゃないか…と、思われたが。

「よいしょー」

という間抜けな掛け声と共に、寿々花さんは特大雪玉をひょいっ、と軽々持ち上げ。

ドサッ、と胴体と連結。

…マジかよ。嘘だろ。

普通に持ち上げやがった。あの特大雪玉を。

最早、力持ち、ってレベルじゃないぞ。

人間やめてるレベル。

「ふー。出来たー」

「…すげぇ…」

非力な俺に出来ることと言えば。

超特大雪だるまに、マフラーをつけ、バケツを逆さにして帽子代わりにし。

小石と小枝で目、口、腕を作ってあげることだけだった。

なかなか様になってるじゃん。デカいから余計に。

これから数日間、我が家の万人として玄関前に鎮座していてくれ。
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