アンハッピー・ウエディング〜後編〜
とにかく、これ以上のストーカー行為はやめさせなくては。

「良いな、今日限りはストーカーはやめろ。ベッドサイドの小型カメラも回収。チップは破壊する」

「えー」

えーじゃない。異論は認めない。

俺の活動記録レポートを作成されるなんて、冗談じゃない。

プライバシーの侵害も甚だしい。

「でも、そうしたら、レポートはどうすれば良いの?」

寿々花さんは困りきった顔で聞いてきた。

え?それは…。

「別に…違うテーマで書けば良いだろ?俺じゃなくて…」

テーマなんていくらでも、他に色々あるだろ。

「観察日記で良いなら、その辺の野良猫でも観察すれば?」

あ、でも無理か。近寄ったら、大抵の野良猫は逃げるし。

まぁ、別に猫じゃなくても。何でも良いし。

「寿々花さんは頭が良いんだから、レポートくらいあっという間に…」

「だって、レポート用紙20枚もあるんだよ?本当に好きなものじゃないと書けないよ」

「20枚!?」

俺は、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

多っ。嘘だろ、20枚って。

レポート用紙20枚分って、それ相当多いぞ。文字数にすると…。…どれくらいあるんだ?

普通の、一枚400字の原稿用紙とは訳が違うだろ?

半分の10枚でも「多いな」って思うのに。

それを20枚とは…。さすがエリートお嬢様揃いの聖青薔薇学園女子部の課題。スケールが違う。
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