アンハッピー・ウエディング〜後編〜
プリクラの後も、いくつかのゲームを体験して。

「楽しかったー」

「…良かったな…」

初めてのゲームセンターを、心ゆくまで堪能して。

寿々花さんは、非常にご満悦な様子。

寿々花さんの、この弾けるような明るい笑顔。

これを見られるなら、俺の今日一日の疲労感など何だと言うのか。

安いもんだ。

「ありがとう、悠理君。悠理君のお陰で、今日、とっても楽しかったよ」

「そうか。それは何よりだ」

「悠理君と一緒だと、色んなことが楽しいね。色んな初めての経験が出来て、凄く嬉しい」

そうか。それは俺も同感だよ。

寿々花さんと一緒だと、これまで出来なかった様々な経験が出来る。

…まぁ、プリクラは…あんまり経験したくなかったけどな…。

「…えへへ。ありがとう、悠理君」

「…」

照れ臭そうに微笑む、寿々花さんの笑顔を見ていると。

あー、連れてきて良かったなーと思うんだから、やっぱりズルいよ。

この人、これで俺より歳上なんだぜ。信じられるか?

「また来ようね。また今度」

「あぁ、また今度な」

「今度は、もっといっぱいうんまい棒取ろーっと」

「…うんまい棒は…もう良いんじゃないか…?」

今手元にある分だけでも、これどうすんの?って感じ。

つーか、あんたワサビ味なんて食べられないだろ。

案の定、家に帰ってから、獲得したばかりのうんまい棒をおやつに食べたところ。

子供舌の寿々花さんは、ワサビ味をひとくち齧ってギブアップ。

残りのうんまい棒ワサビ味は、残らず俺に回されることになった。

…うん。

…来週、雛堂と乙無に押し付けよう。
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