アンハッピー・ウエディング〜後編〜
俺?俺のことだよな?
イケメン店員は、にこにこと、羨ましいくらい爽やかな笑顔でこちらを見つめている。
全然考えてなかった。自分の注文。
つーか、決める前に雛堂が勝手に呼んだんだよ。
「え、え、えっと…」
「あー。彼にはブラックオムライスと、ブラックホットキャラメルティーにブラック生クリームトッピング。デザートは期間限定のブラックみたらし団子で」
おい。雛堂あんた、何勝手に決めてんだ。
「畏まりましたー」
店員さんも。勝手に畏まらないでくれ。
ちょっと待て、その注文は取り消し、と言おうとしたのだが。
そのタイミングで、他のテーブルのお客さんに声をかけられ。
「それでは失礼致します。少々お待ち下さい」
と言って、爽やかな笑顔で一礼。
呼ばれたテーブルの注文を取りに行ってしまった。
…見るからに忙しそうなのに、呼び止めて注文キャンセルを頼む訳にもいかず。
「…雛堂…貴様…」
「良いじゃん。どれも美味そうだし。なぁ?」
なぁ?じゃねぇんだよ。
勝手に注文しやがってよ。これで食べられない代物が出てきたらどうするんだ?
その時は、雛堂に責任持って食べてもらうからな。
だって、メニュー全部真っ黒なんて、絶対まともな食べ物じゃねーよ。
アレだよ。見た目のインパクトだけで、食べてみたら全然美味しくないパターン。
そりゃ、料理において、見た目は確かに大事だと思うよ?俺だって。
だけど、見た目は美味しそうなのに、食べてみたら全然美味しくない料理と。
多少見た目は悪くても、食べてみたら美味しい料理。どちらを食べたいかと聞かれたら。
普通に考えたら、誰だって後者を選ぶだろう?
ここのメニュー、高くて黒いばっかで、全然食欲そそられないしさ。
注文には慎重を期さなければならない、と思っていたのに。
雛堂に勝手に決められたせいで、もう後の祭りだよ。
食べ物を無駄にはしたくないのだが?
…美味しくなくて良いから、せめて不味くはない料理が出てきますように。
イケメン店員は、にこにこと、羨ましいくらい爽やかな笑顔でこちらを見つめている。
全然考えてなかった。自分の注文。
つーか、決める前に雛堂が勝手に呼んだんだよ。
「え、え、えっと…」
「あー。彼にはブラックオムライスと、ブラックホットキャラメルティーにブラック生クリームトッピング。デザートは期間限定のブラックみたらし団子で」
おい。雛堂あんた、何勝手に決めてんだ。
「畏まりましたー」
店員さんも。勝手に畏まらないでくれ。
ちょっと待て、その注文は取り消し、と言おうとしたのだが。
そのタイミングで、他のテーブルのお客さんに声をかけられ。
「それでは失礼致します。少々お待ち下さい」
と言って、爽やかな笑顔で一礼。
呼ばれたテーブルの注文を取りに行ってしまった。
…見るからに忙しそうなのに、呼び止めて注文キャンセルを頼む訳にもいかず。
「…雛堂…貴様…」
「良いじゃん。どれも美味そうだし。なぁ?」
なぁ?じゃねぇんだよ。
勝手に注文しやがってよ。これで食べられない代物が出てきたらどうするんだ?
その時は、雛堂に責任持って食べてもらうからな。
だって、メニュー全部真っ黒なんて、絶対まともな食べ物じゃねーよ。
アレだよ。見た目のインパクトだけで、食べてみたら全然美味しくないパターン。
そりゃ、料理において、見た目は確かに大事だと思うよ?俺だって。
だけど、見た目は美味しそうなのに、食べてみたら全然美味しくない料理と。
多少見た目は悪くても、食べてみたら美味しい料理。どちらを食べたいかと聞かれたら。
普通に考えたら、誰だって後者を選ぶだろう?
ここのメニュー、高くて黒いばっかで、全然食欲そそられないしさ。
注文には慎重を期さなければならない、と思っていたのに。
雛堂に勝手に決められたせいで、もう後の祭りだよ。
食べ物を無駄にはしたくないのだが?
…美味しくなくて良いから、せめて不味くはない料理が出てきますように。