アンハッピー・ウエディング〜後編〜
それよりお土産だな、お土産。

寿々花さんへのお土産、何買って帰ろうかなー。うん。

「?どうした悠理兄さん。なんか顔色悪くね?」

「き…気の所為だ」

カエルの卵なんて聞いてないからな。俺。何も聞いてないから。

茶色の卵だってあるんだから、黒い卵を生む鶏だっているよ。きっと。

「そ、それより…寿々花さんへのお土産どうしようって…。やっぱりみたらし団子にしようかな」

「『ブラック・カフェ』おすすめのブラックチュロス、なんてのもあるぞ」

ふーん、チュロスねぇ。

勿論、こちらも『ブラック・カフェ』のメニューなので、真っ黒な暗黒チュロスである。

黒ごま味とか?

まぁ、良いや。おすすめだって言うんだから、チュロスも買ってみよう。

で、お土産と一緒に、本日ご注文の伝票を持ってお会計に行くと。

「それでは、合計…11500円になりまーす」

たっか。

目玉飛び出るぞ。マジで。

半分くらい、雛堂の注文のせいだろ。

喫茶店で払う金額じゃねーよ。と言いたいところだったが。

「ども、悠理兄さん。ごっつぁんです」

「ご馳走様でした。悠理さん」

涼しい顔して、奢ってもらう気満々の二人である。

良いけどさ、別に。今日は奢るって約束で来てるんだし。

でも、覚えてろよ。

次の機会があったら、絶対あんたらに奢ってもらうからな。
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