アンハッピー・ウエディング〜後編〜
…寿々花さんが、そのようなピンチを迎えていることを知らず。
『ブラック・カフェ』を後にした俺達三人は、再び電車に乗って自宅の最寄駅に帰ってきた。
今日はこれで解散、になる訳だが…。
「じゃあな、悠理兄さん!家に帰るまでが遠足だぞ。寄り道せずに帰れよ!」
「そう言われてもな…。遠足じゃねぇし、あと夕飯の買い物して帰るから寄り道するわ」
「マジかよ。悠理兄さんち、今日晩飯何?」
…何にしよっかなぁ?
スーパーに行ってから決めようと思う。
「そういや自分も、観たかったホラー映画のDVDレンタル開始日が昨日なんだった。レンタルビデオ屋寄って帰ろーっと」
「帰るまでが遠足なんじゃなかったんですか?」
「別に帰らないとは言ってないだろ?ビデオ屋に寄って…そして帰る」
だってよ。
まぁ好きにしてくれ。
「それじゃ、今日はここでお開きですね。悠理さん、ご馳走様でした」
「じゃあなー、悠理兄さん。あばよ!」
「はいはい。あばよ…」
駅の改札を出たところで、雛堂と乙無と別れ。
そのまま、自宅近くにある行きつけのスーパーに直行。
この時点で俺は、自宅に円城寺が来ていることも、寿々花さんのもとに椿姫お嬢様からの荷物が届いていることも知らなかった。
呑気に、「今日の晩飯何にしようかな?」なんて考えてた。
そんな愚かな自分を殴りたい。
あ、そうだ。折角だから寿々花さんにリクエストでも聞こうかな?
今日一日、良い子で留守番してくれてたんだし。そのご褒美に…じゃないけど。
せめて、寿々花さんの好きなものを作ってあげたい。
…って、それだと俺、昼飯も晩飯もオムライスにならないか?
…別に良いか。
昼に食べたのはただのオムライスじゃなくて、ブラックなオムライスだったから。
しかも、あのオーナー(?)らしき人の話を聞いたところによると、あれはヒキガエルのたま、
…いや、あれは聞かなかったことにしよう。
とにかく普通のオムライスじゃなかったんだから、夜は自分で作った普通のオムライス…も悪くないかもしれない。
ともあれ、家に電話して寿々花さんに聞いてみよう。
…と、上着のポケットからスマホを取り出そうとした、その時。
「うわっ…」
突然、そのスマホに着信音が鳴って、めちゃくちゃ驚いた。
危うく落っことすところだった。危ない危ない。
ってか、誰だよ?雛堂か?
それとも、お留守番に限界を感じた寿々花さんからのヘルプ要請…かと思いきや。
「えっ…。母さん…?」
雛堂からでも寿々花さんからでもなく、母親だった。
めっちゃ意外なところから…。って、それほど意外でもないか…。
とりあえず出よう。
「もしもし…?」
『もしもし?元気?』
電話越しでも、久し振りに母の声を聞くと、何だか懐かしいような気分だった。
『ブラック・カフェ』を後にした俺達三人は、再び電車に乗って自宅の最寄駅に帰ってきた。
今日はこれで解散、になる訳だが…。
「じゃあな、悠理兄さん!家に帰るまでが遠足だぞ。寄り道せずに帰れよ!」
「そう言われてもな…。遠足じゃねぇし、あと夕飯の買い物して帰るから寄り道するわ」
「マジかよ。悠理兄さんち、今日晩飯何?」
…何にしよっかなぁ?
スーパーに行ってから決めようと思う。
「そういや自分も、観たかったホラー映画のDVDレンタル開始日が昨日なんだった。レンタルビデオ屋寄って帰ろーっと」
「帰るまでが遠足なんじゃなかったんですか?」
「別に帰らないとは言ってないだろ?ビデオ屋に寄って…そして帰る」
だってよ。
まぁ好きにしてくれ。
「それじゃ、今日はここでお開きですね。悠理さん、ご馳走様でした」
「じゃあなー、悠理兄さん。あばよ!」
「はいはい。あばよ…」
駅の改札を出たところで、雛堂と乙無と別れ。
そのまま、自宅近くにある行きつけのスーパーに直行。
この時点で俺は、自宅に円城寺が来ていることも、寿々花さんのもとに椿姫お嬢様からの荷物が届いていることも知らなかった。
呑気に、「今日の晩飯何にしようかな?」なんて考えてた。
そんな愚かな自分を殴りたい。
あ、そうだ。折角だから寿々花さんにリクエストでも聞こうかな?
今日一日、良い子で留守番してくれてたんだし。そのご褒美に…じゃないけど。
せめて、寿々花さんの好きなものを作ってあげたい。
…って、それだと俺、昼飯も晩飯もオムライスにならないか?
…別に良いか。
昼に食べたのはただのオムライスじゃなくて、ブラックなオムライスだったから。
しかも、あのオーナー(?)らしき人の話を聞いたところによると、あれはヒキガエルのたま、
…いや、あれは聞かなかったことにしよう。
とにかく普通のオムライスじゃなかったんだから、夜は自分で作った普通のオムライス…も悪くないかもしれない。
ともあれ、家に電話して寿々花さんに聞いてみよう。
…と、上着のポケットからスマホを取り出そうとした、その時。
「うわっ…」
突然、そのスマホに着信音が鳴って、めちゃくちゃ驚いた。
危うく落っことすところだった。危ない危ない。
ってか、誰だよ?雛堂か?
それとも、お留守番に限界を感じた寿々花さんからのヘルプ要請…かと思いきや。
「えっ…。母さん…?」
雛堂からでも寿々花さんからでもなく、母親だった。
めっちゃ意外なところから…。って、それほど意外でもないか…。
とりあえず出よう。
「もしもし…?」
『もしもし?元気?』
電話越しでも、久し振りに母の声を聞くと、何だか懐かしいような気分だった。