アンハッピー・ウエディング〜後編〜
寿々花さんの部屋を出て、ダイニングルームに戻ると。

先程作ったチーズソースのオムライスが、すっかり冷めていた。

さっきまでとろとろだったはずのチーズが固まってしまって、全然美味しくなさそう。

温め直せば良いんだろうけど、とてもじゃないが、自分の為にオムライスを温め直す気にはなれず。

そのまま、一人で冷めたオムライスを食べた。

寿々花さんへのお土産だったはずの、黒いみたらし団子も自分で食べた。

お店で食べた時は、美味しかったはずなのに。

買ってから時間が経っているせいか、それとも今の俺のメンタルが、とても食事を楽しめる状態じゃないせいか。

オムライスもみたらし団子も、ちっとも美味しくなかった。

なーんの味もしない。

で、この無味乾燥なオムライス。

俺の分と寿々花さんの分と、二人分ある訳だけど。

結局食べてもらえなかった寿々花さんの分、どうすれば良いんだ?

明日の…朝食代わりに食べようか?

朝から濃厚チーズソース…は重いな。さすがに…。

…タッパーに突っ込んで、明日のお弁当にしよう。

明日には少しくらいメンタルが復活して、味を感じられるようになってると良いなぁ。
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