アンハッピー・ウエディング〜後編〜
「悠理君…。大丈夫?」
「…俺は…別に…大丈夫だけど…」
嘘である。
全然大丈夫じゃない。実は今、頭の中パニック状態である。
「す、寿々花さんこそ…。留学の話…な、何で言ってくれなかったんだ?」
別に隠すようなことじゃないだろ。
結局、俺は何の為に避けられてたんだ?
「だ、だって…それは…」
「…それは?」
「悠理君にまで背中を押されたら…行かない訳にはいかなくなっちゃうから…。離れ離れになるの、怖くて…」
「え、なんて?」
寿々花さんは、俺に聞こえない小さな声で、口の中でもごもごと何かを言った。
…よく分からないけど。
根っからの貧乏庶民の俺には、海外留学なんて無縁過ぎて、相談しても何の助けにもならないから…。
だから、俺には何も言わずに黙ってたのだろうか?
ごめんな。俺、留学どころか、去年の今頃まで自分は中卒だと思ってたくらいだから。
そりゃ、何の手助けにもなってあげられない。申し訳無い。
「食事全部ボイコットされてたのは何で?」
「え、だって…。…もし留学したら、…もう、悠理君のご飯は食べられなくなるでしょ…?だから…」
え、そういう理由だったのか?
「俺の料理が不味いとか、貧乏臭いからとかじゃなくて…?」
「何で?悠理君のご飯はいつも美味しいよ?」
「なっ…んだよ、それ…!」
へなへな、とその場に脱力してしまいそうになった?
悪意あってボイコットされてた訳じゃないんだな?そうなんだな?
それが分かってホッとした。
「留学するか否かは関係ないだろ…。飯くらい普通に食べてくれよ」
「だ、だって留学したら、もう食べられなくなるから…」
留学したら、の話だろ?
今は日本に居るんだから、それまではいつも通り、一緒に食事すれば良いじゃん。
俺は何の為に、カチカチのみたらし団子を自分で食べたんだよ。
「俺が嫌いじゃないのなら、頼むから普通に食事してくれ。自分の為だけに作ると思ったら、やる気が出ないの何のって…」
「そ、そんな…悠理君のこと嫌いだと思ったことなんて一度もないよ。ずっと大好きだもん」
「あぁそう。良かった」
心の底から良かったと思ってるよ。
少なくとも、嫌われてるんじゃないんだって分かっただけで。
でも…新たな問題が浮上した。
「…行くのか?フランス…。留学…」
「…分かんない。どうしよう。…まだ迷ってるの」
…こればかりは、俺に指図出来ることは何もなかった。
「…俺は…別に…大丈夫だけど…」
嘘である。
全然大丈夫じゃない。実は今、頭の中パニック状態である。
「す、寿々花さんこそ…。留学の話…な、何で言ってくれなかったんだ?」
別に隠すようなことじゃないだろ。
結局、俺は何の為に避けられてたんだ?
「だ、だって…それは…」
「…それは?」
「悠理君にまで背中を押されたら…行かない訳にはいかなくなっちゃうから…。離れ離れになるの、怖くて…」
「え、なんて?」
寿々花さんは、俺に聞こえない小さな声で、口の中でもごもごと何かを言った。
…よく分からないけど。
根っからの貧乏庶民の俺には、海外留学なんて無縁過ぎて、相談しても何の助けにもならないから…。
だから、俺には何も言わずに黙ってたのだろうか?
ごめんな。俺、留学どころか、去年の今頃まで自分は中卒だと思ってたくらいだから。
そりゃ、何の手助けにもなってあげられない。申し訳無い。
「食事全部ボイコットされてたのは何で?」
「え、だって…。…もし留学したら、…もう、悠理君のご飯は食べられなくなるでしょ…?だから…」
え、そういう理由だったのか?
「俺の料理が不味いとか、貧乏臭いからとかじゃなくて…?」
「何で?悠理君のご飯はいつも美味しいよ?」
「なっ…んだよ、それ…!」
へなへな、とその場に脱力してしまいそうになった?
悪意あってボイコットされてた訳じゃないんだな?そうなんだな?
それが分かってホッとした。
「留学するか否かは関係ないだろ…。飯くらい普通に食べてくれよ」
「だ、だって留学したら、もう食べられなくなるから…」
留学したら、の話だろ?
今は日本に居るんだから、それまではいつも通り、一緒に食事すれば良いじゃん。
俺は何の為に、カチカチのみたらし団子を自分で食べたんだよ。
「俺が嫌いじゃないのなら、頼むから普通に食事してくれ。自分の為だけに作ると思ったら、やる気が出ないの何のって…」
「そ、そんな…悠理君のこと嫌いだと思ったことなんて一度もないよ。ずっと大好きだもん」
「あぁそう。良かった」
心の底から良かったと思ってるよ。
少なくとも、嫌われてるんじゃないんだって分かっただけで。
でも…新たな問題が浮上した。
「…行くのか?フランス…。留学…」
「…分かんない。どうしよう。…まだ迷ってるの」
…こればかりは、俺に指図出来ることは何もなかった。