ずるいよ、先生。

診察はご遠慮です 玲惟side

朝からなんかぐったりしているな、顔色悪いなとは思っていたけど。


まさかこんなに熱が高かったとは。


昨日から9班に来た天瀬さん。慣れてないから疲れてるのかな、と思ってた。


大きい瞳は閉ざされ、真っ白な肌が汗ばんでる。


第1印象は、綺麗な人。


そんな天瀬さん。


もしかしたら昨日からしんどかったのかも。そう思うと申し訳なくなる。


藤木さんにインフルの検査キットをオーダーしてる間に、彼女の額に手を当てる。


、、、熱い。


「、、、ん、、、、っ、、、」


検査するまで寝てな、と声を掛けたら一瞬で寝てしまった。余程体調悪いんだろうな、、、、。


しかも魘されているし。


10月のこの季節だとインフルかな、と思う。


可哀そうに、、、。


こんなこと後輩に思っているとかばれたら捕まりそうだ。


一応、同業者。


そう思っていないと、、、手を出すかもしれない。


、、、出すつもりなんてないけど。


「先生、持ってきました」


なんて考えていると藤木さんがインフルの検査キットを持ってきてくれた。


「ありがとう」


検査準備をしていると、咳をしている音がする。
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