再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜
 思わぬ提案に、今度は私が驚くことになる。確かに『フラワーショップローズ』は、全国に直営とフランチャイズを合わせて150店舗展開している。まさか、勝手なことを言っている私に、そんな提案をしてもらえるとは思っていなかったのだ。

「そんなわがままを聞いていただけるんですか?」
「美夜ちゃんのことは、娘のように思っているのよ。またいつか戻ってきてほしいわ」

 店長は、四十代後半の大学生のお子さんを持つ母でもある。いつも相談に乗ってくれる頼れるお母さん的存在でもあったのだ。幼馴染の結婚のことも、少し話をしていたこともあり、こうして提案してくれたのだろう。

「本社に話を通すから、少し待ってもらえるかしら」
「はい。もちろんです」

 学生時代からの貯金もあるので、今後のことは辞めてから考えようと思っていた。こんな有難い話はないのだ。

 店長がすぐに話を通してくれ、なんと社宅まで用意してもらえることになった。


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