再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜
 気の進まないお見合いの後に、一人になりたくて取っていた部屋へ彼女、美夜を連れ込んだ。

 美夜、綺麗で彼女にぴったりの名前だ。しかも、夜という字が一緒だなんて運命ではないか。一人心の中でロマンチックな発想をしてしまうくらい浮かれていた。

 最後にもう一度美夜に確認するも、同意してくれた。しかも初めてだという。

 小さくて可愛らしく儚い美夜を、宝物を扱うように大切に抱いた。

 今までの女性に謝罪の言葉が浮かぶほど、美夜との一夜は全く別物で神聖な行為だった。

 疲れて眠ってしまった美夜を眺めて、俺は眠らぬまま夜が明けた。

 そこへ、スマホが着信を告げる。こんな朝っぱらから連絡が来るなんて、嫌な予感しかない。無視できないのが、俺の立場だということだ。

「はい」
「副社長、朝からすみません。緊急事態です」
「何があった?」
「ラスベガスの土地取引で問題が発生しました」
「はあ?まもなくホテル建設の着工だろう?」


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