再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜

　ここに来るまで働いていた『フラワーショップローズ』は、午後八時までの営業だったが、今のお店は午後七時までと閉店が一時間早い。たかが一時間と思うかもしれないが、閉店後の片づけなどを考えるとかなり楽に感じるのだ。

「さっと片づけて帰りましょう」
「はい」

　店長の仕事もあるはずなのに、私の体調を気にしてくれているのか、店内作業を手伝ってくれる。いつもはアルバイトが常に二人いるのだが、今日は珍しく私達二人だけだった。私が来るまでは、もう一人社員がいたのだが、ちょうど退職する予定になっていて、どこからか社員を異動させる予定だったと聞いた。

　明日も予約のフラワーアレンジメントがたくさん入っている。

　近くに、イベントホールや病院があり、予約は多岐に渡る。さらには、結婚式場やホテルとも提携していて、お客様の要望次第で依頼が入るのだ。

「さあ、帰りましょうか。今日は車で来ているの」
「本当に突然お伺いしていいんですか？」
「大丈夫よ。美夜ちゃんのことは家族に話しているから」