再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜
 店長の言葉に書類から顔を上げたご主人の目が私を捕らえる。

「これはこれは、可愛らしいお客様で」
「お邪魔します。花木美夜です」
「君が美夜さんか。いつも家内から話を聞いているよ。働き者で助かっているって」
「そんな。私こそ、店長にはとてもお世話になっているんです」
「娘が大きくなって、なかなか相手にしてもらえないんだ。頼ってもらえたら私達は嬉しいよ」
「ありがとうございます」
「で?お客様を自宅ではなくここへ連れて来たのには訳があるんだろう?」
「さすがね。そうなの。美夜ちゃんの体調があまり良くないみたいで、あなたに一度診てもらおうと思って」
「そうだな。少し顔色が悪いな。症状を詳しく聞いてもいいかい?」

 ここまで来たら、素直に聞いてもらって原因をはっきりしたい。ここ最近の症状を素直に告げた。

「まずは検尿をしてみてくれないか?」
「え?」
「あなた、何かわかったの?」
「まあ、検査結果を見てから話をしよう。まだ可能性の段階だから」

 
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