再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜
 何かを確信しているような口調だ。ただ、私には思い当たる節がない。早く理由を知ってすっきりしたい。

 午後の診察も終わっている時間だが、すぐに検査をしてくれることになった。ナースステーションがあるニ階に連れて行かれ、検査を受けて結果が出るまで店長と一緒に待っているところだ。

 廊下で待っていると、医院長先生に呼ばれ診察室へ入った。産婦人科へ訪れること自体が初めてで、見慣れない光景に落ち着かない。

「あなた、わかったの?」
「ああ、落ち着いて聞いてほしい」
「……」

 何か大きな病気なのだろうか。落ち着いて聞いてと言われたら、一気に不安が押し寄せる。

「美夜さん、君は妊娠している」
「へ⁈」
「ええ⁈」

 私だけではなく、店長からも驚きの声が上がった。に、妊娠⁈まだ、病気だと言われた方が現実味があるというものだ。

「最後の生理がいつかわかるかな?ここ最近はきてないんじゃないか?」

 確かに、この地へやって来てからは記憶にない。元々不順なので、気にもしていなかった。


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