再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜
 でも、思い当たる相手は壱夜さん一人しかいない。

「美夜ちゃん、まずはおめでとうでいいのかしら?」
「えっ、あっ、はい」

 突然告げられた真実だが、困ったと思う気持ちはない。それどころか、私のお腹の中に壱夜さんとの子供が宿っていると思うと温かい気持ちが広がる。

「突然のことで本当に驚いてますが、素直に嬉しいです」
「こんなこと聞いていいのかわからないけれど、お相手は?」
「名前しかわかりませんが、この子は私の子です」

 連絡先はわかるが、知らせるつもりはない。店長もご主人である医院長先生も、何かを感じたのかそれ以上聞いてくることはなかった。私の表情から産む決意を感じたようだ。

「「おめでとう」」
「ありがとうございます」
「事情があるようだから、これ以上は聞かないが、私達夫婦は全力で美夜さんをサポートするよ」
「そうよ。美夜ちゃんがここで産むのなら、私達が親代わりになるわよ」
「店長……」

 本当は実家に帰るのがベストなのかも知れないが、今あの地に帰るつもりはない。

「よろしくお願いします」

 厚かましいが店長に甘えて、無事にお腹の子に会いたいと思う。



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