再会溺愛〜夢の一夜の証と共に〜
 幼い頃からの私達の関係から今日に至るまでを、隣に座る男性に語っていた。

 今の切ない想いを口から吐き出した瞬間、目からは涙が自然と溢れていた。この涙と共にすべてを流してしまって、幼馴染としてこれからもつき合っていく覚悟を決める。

 男性に話したことで、スッキリとした。時折相槌を打ってくれる優しい彼に視線を向けた瞬間、視線がしっかりと交わった。

 なぜか目が離せない……。

 私としっかり視線を合わせたまま、優しく頭を撫でられた。あまりにも優しい手の温もりに、また自然と涙が溢れる。

「忘れたいか?」

 たったひと言だけれど、今の私が最も望んでいること。

「はい」

 無意識に素直に頷いていた。

「俺が忘れさせてやろうか?」
「それはどういうことですか?」
「お前の中を俺でいっぱいにしてやる。名前は?」
美夜(みや)
「俺は壱夜(いちや)だ」

 偶然にも同じ()の字を使う二人が、今夜運命的に出逢った。

 お互いに何かを感じているが、口には出さない。


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