拷問ASMRー恐怖の音当てクイズー
考える猶予はあまりないということだ。


『また、音が流れる時間は10秒間とします』


10秒聞いて、1分以内に回答する。
結構難しいクイズになりそうだ。
だけど10万円ももらえるのなら、これくらいシビアなのも頷けることだった。


『ちなみに、ただいまの視聴人数は1万人を超えています』

「まじかよ、そんなに!?」


久貴が驚いて声を上げる。
生配信開始早々に1万人集まってくるということは、かなりの人気配信者ということになる。


『それではさっそく1問目から行ってみましょう!』


配信者が元気よく告げた後、動画内は静かになった。
部屋の中もとても静かで4人分の呼吸音しか聞こえてこない。

下手をすれば心音までが聞こえてきそうな静寂が下りてくる。
そんな中、配信者が画面外で手を動かすのが見えた。

パチッパチッと軽い音が聞こえてくる。
由佳が眉を寄せて首を傾げた。
どこかで聞いたことのあるような音だ。
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