拷問ASMRー恐怖の音当てクイズー
「これ、配信で使った食器かも」
「かもじゃなくて、そうに決まってんだろ。配信者はこの学校にいるんだからよ」
由佳のつぶやきに久貴が断定を加える。


そして4人はひとつのテーブルに集まってきた。
画面上に一瞬だけ見えたラクガキ。
それがここにはあるのだ。


ゆか♡かずみ。
それは間違いなく、動画で見たあのラクガキだった。
由佳は自分たちが書いたラクガキに指を這わせて「配信者はどこに行ったんだろう」とつぶやいた。


ついさっきまでここにいたことは確実だ。
だけど今はどこにも居ない。
音も聞こえてこない。


校舎はさっきから黙り込んでいて、キーンと耳鳴りが聞こえてくるほどだ。
「き、きっともうクイズを終えて帰っちゃったんだよ。私達がここに来るまでに全部終わったんだよ」
「100人も残ってたんだ。そんなすぐに終わるかよ」


久貴は和美の言葉を一蹴して調理実習室から出ていってしまった。
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