【短編】私とあなた



それから初めて私は、


友達に相談をした。




隆介とメールをしている時の、

意味のわからない喜びと、

緊張と…何とも言えない幸福感。




「それって好きって事でしょ?」


「…好き…?」


「うん。好きって事。」


「そんなはずないよ~!」


「栞は自分に素直になれてないだけと思う。」

「素直…?」


「うん。隆介を好きって認めたくないのかもしれないね。でも、メールしたいとか幸福感とか得られるって事は好きなんだと思うよ。その気持ちに自分が気づいてないだけ。」



「…気づいてない…そうなのかなぁ?」


「そうだよ~!もっと自分に素直になったらぁ?きっと答え見えるよ?」



「ん~…イマイチわかんないなぁ。」


「あ、でも隆介好きな人居るって言ってたよね?」

「…うん。」


「ほら!!!」

「えっ!?」



「そのテンションの落ち方とかっ!」


「えぇ!?テンション落ちたぁ?」

「もろ落ちだし。」



「ん~…やっぱわかんないや…」


「今から隆介呼ぼうか?」


「えぇええぇええ!?いいよっ!呼ばなくてっ!!!!」



「来てほしいくせにぃ~!」

「ん~…」



やっぱりわからない。


私は隆介の事が好きなのかな?

ん~…わからない。



自分に素直にかぁ~…。


素直になってるはずなんだけどなぁ。




でも…メールはしたいって思うし、

会いたいとも思ってるしなぁ…。



< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop