【短編】私とあなた
「あのさ…隆介のことなんだけど…」
「何?」
「初対面なのにこんなこと言ってごめんね。」
「うぅん。どうしたの?」
「私…隆介好きなの。」
「…え…?」
びっくりした。
初対面なのにいきなり相談みたいなことされて…。
「でね、栞ちゃんと隆介ってどんな関係なのかなって思って。今日、すごく仲よさそうに話してたからさ…」
ちょっと俯き加減に話す彼女…。
「ただの友達だよ!」
私の胸がチクチクする。
そんな胸を押さえつけるかのように、
笑顔でそう答える。
でもさ…彼女も隆介の仲よさそうに話してた…
それに…隆介好きな人居るって言ってたな…
この時…気づいた…。
やっと…なのかな??
隆介への気持ち…
隆介のことを好きって人が身近に居て…
やっと気づいたんだよね…
私は隆介が好き…。