天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 ここで甘い言葉で安心させるのは簡単だが、例えルシアンが悲しむとしてもアマリリスは誠実でありたかった。三口ほど残っていたシャンパンを飲み干し、アマリリスは前を見据えてはっきりと自身の思いを言葉にする。

「ですので、ルシアン様の教育を早く終えて、テオ兄様に会いに行きますわ」
「……そう」

 ルシアンはからにになったグラスに視線を落とし、わずかに残っていたシャンパンをジッと眺めていた。



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