天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「ダーレン様! すぐに辞めてしまっては、価値を理解してもらえませんわ。ですから次の職では半年は試練の時間だと思って耐えましょう」
「半年か……」

 渋るダーレンを説得してもう一度父に職の斡旋を頼んだが、今度は三カ月で辞めてきてしまった。しかも辞める直前に王城で大きく揉めたらしく、もう次の職に就くことは絶望的になってしまった。

 ダーレンがふたつ目の職を辞めた翌日、ロベリアはクレバリー侯爵の執務室へ呼び出された。

「ロベリア、ダーレンについてはもう手に負えんぞ! 職を斡旋してもすぐに辞めてしまって、どれだけ私の顔に泥を塗れば気が済むのだ! そもそも、アマリリスでさえバックマン公爵夫人に気に入られていたのに、お前はなにをやっていた!?」

 ダーレンへの敬称も省いたクレバリー侯爵は、怒りに任せてロベリアを怒鳴りつける。

「そんな言い方ないじゃない! わたくしはお父様の言いつけ通りにしたわよ!!」
「黙れ!! いいか、ダーレンとは婚約破棄しろ! あんな役立たずはもう必要ない!!」
「なによ、お父様の計画が杜撰だっただけでしょう!? わたくしのせいにしないで!!」

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