天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 たとえ嫌われていてもアマリリスを手放すつもりはないし、時間をかけて口説き落とそうとルシアンは思っていた。死ぬまでに愛を返してくれたら上出来だし、愛されなくてもルシアンのものだと理解してくれたら、それでいいとさえ思っている。

 こんな重苦しい感情が自分の中にあると知ったのは、アマリリスに出会って半年が過ぎた頃だった。
 どんなにアマリリスをあきらめようとしても想いは募るばかりで、この気持ちを消し去るのは無理だと悟る。

 無理やり婚約をすることもできたけれど、ダーレンの婚約者として頬を桃色に染めたアマリリスを悲しませるのは嫌だった。

 苦肉の策として常にアマリリスの情報を集めていたが、ひどい状況だと知ってもなにもできず本当に歯痒くてたまらなかった。婚約者であるはずのダーレンに何度か忠告したがまったく頼りにならず、アマリリスの状況は悪くなり悪女の噂が広まるばかりだったのだ。

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