天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
(まずは手早く荷物をまとめて図書室の鍵を返さないと。書き置きを残して、それからケヴィンたちにひと言伝えて——ああ、それにしても、まだ話が続くのかしら)

 ダーレンがアマリリスの悪行だと挙げ連ねているのは、すべてロベリアがやってきたことだ。

 アマリリスのドレスを裂いたり、形見の装飾品を奪ったり、身の回りの世話をさせたり、使用人をいじめたのも、全部ロベリアがやっていた。

 ダーレンが送ってきたドレスだって、アマリリスがお下がりとしてあげたのではなくすべてロベリアに横取りされたのだ。むしろアマリリスが公爵夫人のお茶会で着るドレスがロベリアのお古だった。

 さらにダーレンをロベリアの婚約者にしたかった伯父夫妻は、愚痴と称してアマリリスの悪い噂を流していった。

 美しいロベリアが社交デビューしてからは、一緒にパーティーに参加して近づいてくる男を排除しろと命令されたので、彼女のめがねに敵わない貴族男性たちを追い払っていた。

 ロベリアは見目のいい高位貴族しか相手にしない。そして私からいつも虐げられ、好意を寄せてくれた貴族たちも姉に奪われると、ありもしない事実を告げて高位貴族の男性を落としていた。

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