天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 アマリリスが去ってからますます悪化の一途を辿り、没落まで秒読み段階と言える。
 それらをカッシュに説明し、どうしたら気が済むような処分できそうか思案した。

「ここで本当の後継者が出てきたら、面白くなると思わない?」
「本当の後継者って……あ!」
「ふふふ、さてどうやって奴らを追い込もうか。ギリギリまで足掻かせて絶望の底に叩き落とそうかな。あとで周知するのも面倒だし、目立つところがいいよね?」
「目立つところって……夜会かパーティーか?」
「うん。リリスだって夜会で婚約破棄されたんだし、文句は言えないよね」

 極上の笑みを浮かべ、どんどん瞳から光を消していくルシアンを見て、カッシュはポツリと呟いた。

「本当にルシアンだけは敵にしたくないよ」


< 133 / 220 >

この作品をシェア

pagetop