天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 そうして約束の五日後、アマリリスはメイドに囲まれルシアンと出かけるための準備をしていた。

 メイドたちに促されるまま薄紫のドレスに身を包み、イエローダイアモンドのアクセサリーを身につける。真紅の髪はハーフアップにして金色の薔薇の飾りを差し込み、まるで夜会に参加するような格好だ。

(これは……かなり独占欲丸出しの衣装じゃないかしら? それにしてもこんなに豪華な格好で外出ということは演劇でも観にいきたいのかしら?)

 アマリリスの準備が終わると同時に、ルシアンが部屋まで迎えにやってくる。

「リリス、準備はできた?」
「ルシアン様。はい、ちょうど今終わったところです」

 そういうと軽い足取りでルシアンが入ってきて、うっとりとした表情でアマリリスを見つめた。

「はあ。リリス、想像以上に綺麗だよ。さあ、行こうか」
「あ、ありがとうございます……」

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