天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
ストレートな褒め言葉に内心で狼狽えながら、アマリリスはルシアンのエスコートに身を委ねる。ダーレンはこんな風にアマリリスを褒めたことがなかったので、実は褒められないれていないのだ。
ルシアンをチラリを見上げると、バッチリと視線が絡みアマリリスは慌てて正面に顔を向ける。
(まさか、こちらを見ているとは思わなかったわ。それに、ルシアン様も正装に近いくらい衣装を整えたのね)
アマリリスのアドバイス通り、ルシアンの衣装は黒や濃紺など暗めの色が多くなった。今日も黒の上下に金色の刺繍が贅沢に施され、真紅のベストで華やかさを出している。
(……というか、私の色を使っているのね。これでは私まで執着心丸出しみたいだわ)
ため息をつきたいのをこらえて、用意されていた馬車へ乗り込んだ。
ゆっくりと馬車は動き始め、窓から覗く景色が後ろへと流れていく。城門を抜けて街の中心部へと向かって進んでいた。
「ルシアン様、今日は観劇でもされたいのですか?」
「観劇ではないかな。でもリリスが絶対に喜ぶことだと思う」
「私が喜ぶことですか……?」
ルシアンをチラリを見上げると、バッチリと視線が絡みアマリリスは慌てて正面に顔を向ける。
(まさか、こちらを見ているとは思わなかったわ。それに、ルシアン様も正装に近いくらい衣装を整えたのね)
アマリリスのアドバイス通り、ルシアンの衣装は黒や濃紺など暗めの色が多くなった。今日も黒の上下に金色の刺繍が贅沢に施され、真紅のベストで華やかさを出している。
(……というか、私の色を使っているのね。これでは私まで執着心丸出しみたいだわ)
ため息をつきたいのをこらえて、用意されていた馬車へ乗り込んだ。
ゆっくりと馬車は動き始め、窓から覗く景色が後ろへと流れていく。城門を抜けて街の中心部へと向かって進んでいた。
「ルシアン様、今日は観劇でもされたいのですか?」
「観劇ではないかな。でもリリスが絶対に喜ぶことだと思う」
「私が喜ぶことですか……?」