天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
(急に口数が少なくなってそっけない態度になったくせに、膝枕を求めてくる。視線も合わないわね……この態度に心当たりはあるけれど)

 口に出して違っていたらとても恥ずかしいが、ルシアンのわかりやすい態度でほぼ確信に近い答えが出ていた。
 しかし、にわかには信じ難い。

「……まさかとは思いますが、焼きもちですか?」
「はー、本当にリリスには隠せないね」

 美貌の眉を歪めてルシアンはむくりと起き上がる。適度な重みと熱がなくなり、アマリリスは残念な気持ちを抱いた。そんな気持ちを打ち消すように、冷静な自分が顔を出す。

「いったいなにに嫉妬されたのか、わかりません」
「リリスがテオドールばっかり見てるから」
「……それは、八年ぶりの再会でしたので、そうなるのは当然かと思いますが」
「わかってるよ。実際リリスが喜ぶと思ってセッティングしたのも僕だし、それは成功したと思っている。でもさ、一ミリも僕のことを見ないし、話すのはテオドールとばかりだし……あー、もうこんな感情初めてだ」

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