天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
ブロイル伯爵のもっともな希望にエミリオが焦って否定するが、その言葉にブロイル夫人が激昂した。怒りのあまりソファーから立ち上がり、今にも飛びかかりそうだったがブロイル伯爵が宥める。
クレバリー侯爵はどうにか処罰を軽くできないかと、言い訳をしはじめた。
『しかし、エミリオは後継者で、厳罰と言っても限界がある。慰謝料の増額で納得していただきたい』
『ナタリーもひとり娘で、我々の後継でしたが? それに、クレバリー侯爵にはロベリア嬢がいて、バックマン公爵家のダーレン様と婚約していると聞いています。後継問題はどうにでもなるでしょう。そもそも金銭だけで解決できるほど簡単な問題だとでも思っておられるのか?』
『ですが、娘のロベリアには後継者としての教育はなにも——』
『いい加減にしてください! ナタリーは姉であるバックマン公爵夫人がかわいがっていた姪でもあり、今回のことも報告済みです。どんなことをしても貴方たちには罪を償ってもらうぞ!!』
ここまで怒りを抑えていたブロイル伯爵も、ついに声を荒げた。
あれだけ厳しいバックマン公爵夫人の姪に手を出したのだから、エミリオがタダでは済まないのはロベリアでもわかる。それにクレバリー侯爵はバックマン公爵家の名前を出されたら、すべてを飲み込むしかないことも理解していた。
クレバリー侯爵はどうにか処罰を軽くできないかと、言い訳をしはじめた。
『しかし、エミリオは後継者で、厳罰と言っても限界がある。慰謝料の増額で納得していただきたい』
『ナタリーもひとり娘で、我々の後継でしたが? それに、クレバリー侯爵にはロベリア嬢がいて、バックマン公爵家のダーレン様と婚約していると聞いています。後継問題はどうにでもなるでしょう。そもそも金銭だけで解決できるほど簡単な問題だとでも思っておられるのか?』
『ですが、娘のロベリアには後継者としての教育はなにも——』
『いい加減にしてください! ナタリーは姉であるバックマン公爵夫人がかわいがっていた姪でもあり、今回のことも報告済みです。どんなことをしても貴方たちには罪を償ってもらうぞ!!』
ここまで怒りを抑えていたブロイル伯爵も、ついに声を荒げた。
あれだけ厳しいバックマン公爵夫人の姪に手を出したのだから、エミリオがタダでは済まないのはロベリアでもわかる。それにクレバリー侯爵はバックマン公爵家の名前を出されたら、すべてを飲み込むしかないことも理解していた。