天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 翌朝、朝食の席にエミリオは姿を見せなかった。
 代わりにクレバリー侯爵から食後に執務室へ来るように言われ、ロベリアは笑みを浮かべて頷いた。

「クレバリー侯爵家の後継者は本日よりロベリアとなった。これからはそのための勉強もしてもらうから、そのつもりでいろ」
「はい、お父様。精一杯頑張りますわ!」
「それと、アマリリスが正式にルシアン殿下の婚約者になったと王家から通達があった。今後はそちらとの付き合いも始まるから、礼儀作法もしっかりと身につけるように」
「——え?」

 喜びの絶頂から一転、突如冷水を浴びせられたように心が凍りつく。
 確かに以前夜会でエスコートされていたが、せいぜい愛妾になるだと思っていた。

「どういう、ことですか? アマリリスが、ルシアン殿下の婚約者って……」
「どうもこうも、ルシアン殿下に見初められて婚約者に決まったのだ。国王陛下の許可も得ているそうだ」

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